学部講義
(○:環境科学部共通基礎科目 ●:環境・建築デザイン学科専門科目)
○フィールドワークⅠ(1年前期)
実際の地域環境問題が生起するフィールドに足を運び、自分自身の五感を通して環境問題に触れ、それを図、文字、数値データに記録する方法を学ぶ。また、自分自身で記述した記録から、地域環境問題がどのような問題構造をもったものであるか、グループ討議を通して組み立てる演習をおこなう。
●CAD演習Ⅰ(1年後期)
建築のデザインを考え、描き、表現する。これら一連のプロセスを行うにあたり、デジタル設計環境の活用は今や不可欠といえる。CAD(又はCAAD)とは、これら目的の作業や表現に併せた設計支援システムのことであり、建築初学時にその技術と知識を習得しておくことで、造形発想やエスキスのツールとしてだけでなく、高精度な図面作成のみならず、デザインの提案力を向上させ、ヴィジュアルプレゼンテーションを思いのままに操ることが可能となる。本演習はCADを用いた発想法、2次元図面の描画法、立体の描画法、視点のシミュレーション等を通じて、上記CADの利点を全15回の演習を通して体感的に習得することを本授業の目的とする。
●CAD演習Ⅱ(2年前期)
この授業では、CAD演習Iで習得した基礎知識、技術を踏まえ、 世界の大学および建築業界で現在一番使用されている建築デザインのソフトであるAutodesk(Autocad Architecture,3DS-MAX)を用い、より高精度な図面作成、デザインの提案力の向上、プレゼンテーション能力の向上を目指すことを目的とする。
●設計演習Ⅰ(2年前期)
イメージ表現、設計基礎演習などの既往演習を基礎にして、より本格的、建築的な課題で進めていく。前半課題では、人間的な尺度、そして認知、行動、更には生活と空間との関係を念頭において設計することを課題とする。後半課題では、様々な目的で生まれる複数の動線の処理、広がりを持つ場所で既存のコンテクストへの対応を踏まえた課題を出す。この目的で、設計建築物としては、木造戸建住宅(構造計画も含める)、小規模施設などとする。
●内部空間論(2年前期)
建築をデザインする際は、内部と外部を隔てて考えるものではなく、相互に影響を及ぼしあいながらひとつの造形として結実している。また特に集客施設や不特定多数の利用する内部空間においては、用途やシーンに応じた空間感の配慮が必要である。本授業では内部空間の成り立ちや物理的条件の差異による空間認知特性や空間相互の連続性等について講義する。
●設計演習Ⅱ(2年後期)
主眼:コンセプチュアルな思考を身につけ、実践的な設計行為に直結する訓練を行う。目標:異なる空間機能を併せもつ中規模建築(学校、美術館、劇場、図書館など)を様々な工法で設計する方法を学ぶこと。敷地周辺(コンテクスト)の分析と思考、建築とランドスケープの関係性を含める。合わせて、構造デザインの基本を学ぶ。進行:前半は小課題を3題おこない、形態や空間の創造に対する感性を高める。後半は総合的な課題を1題おこない、コンセプチュアルな思考からアクチュアルな設計行為につながる過程を習得する。
●設計演習Ⅲ(3年前期)
環境建築デザイン学科の演習授業の総括として、より高度な計画・デザイン手法を身につけることを主眼とし、大規模な複合施設の設計課題に取り組み、都市計画的・景観計画的な分析能力を養い、提案する建築を社会や環境に関連づけて機能させる総合提案力を習得することを目標とする。前半課題では、既存の小学校を対象とした立て替え計画を行い、周辺環境や社会に開いたオープンスクールをデザインする。後半課題では、設定敷地に地域の社会・文化活動をバックアップするコミュニティセンターを取り扱う。
●環境設計Ⅱ(2年後期)
建築は周辺の都市環境や自然環境から孤立して存在することはできず、ひとつの建築の成立には、周辺環境とのインタラクションを熟慮した結果が随所に反映されている。そうし白眉の数々は、特異な造形デザインとして看取される場合もあれば、建築のプログラムにひっそりと隠匿されていることもある。
本授業では、建築設計の与件として不可欠な『環境設計』に着目し、いくつかの作品事例を取り上げ、それらがいかなるプロセスを経て実現に至ったのかを推理し理解することで、自然や都市環境に対する建築技術者としての読解力や問題解決能力、企画力を養うことを目的とする。
●環境・建築デザイン演習(3年後期)
4年次からの卒業研究・卒業制作に備え、自分の関心を持つテーマを取り扱う研究室に3年生後期から所属し、研究・制作に必要とされる基礎的な知識を修得する。あわせて、4年生あるいは大学院生の研究や設計を補助しつつ、それらの進め方を体得する。