LECTURES

担当講義

CAD演習Ⅰ -演習2-

テーマ:建築の図面を書いてみる

課題説明・提出要領

○提出図面:『6階建RC集合住宅 』立面図のCADトレース
○提出期限:常勤担当教員より追って指示あり
○提出先 :同上
○作図要領:A3用紙を横長に使い、配布した立面図を寸法をあたりながら同様なる図面を作成する。

 縮尺は1/100、点景、線の種別、図面中に適宜着色・着彩を施し、建物の特徴をよくあらわした表現を各自試みること。なお提出はデータではなくプリンタ等にて出力し、追って指示のある提出先に期限内に提出のこと。提出がない場合は採点対象とならないため、注意を要す。また用紙右下に学籍番号・氏名を記入し、下中央に図面名と縮尺をいれること。

ex.A判とB判
A1 594mm×841mm  B1 728mm×1030mm
A2 420mm×594mm  B2 515mm×728mm
A3 297mm×420mm  B3 364mm×515mm
A4 210mm×297mm  B4 257mm×364mm
A5 148mm×210mm  B5 182mm×257mm

図面の説明

 今回の課題は建築物の立面図である。地表面(GLと記す)より上部に出た建物の側面の様子を描く。
 完成するはずの図面は、PC内の作業ウインドウ内で以下のように表示されるはずである。
 白紙エリア内の外郭をなすグレーのレクタアングルは、選んだ用紙の大きさを示している。
 今回はA3サイズであるので、A3用紙の大きさのれくたアングルが表示されている。
 後に説明するが、このA3用紙レクタアングルと、プリンタにて印刷する際の用紙サイズは異なるものである。(なぜならばA3サイズの図面を例えばA4×4枚に印刷することもあるからである…。)

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 また配付資料では見にくい寸法等を以下に示しておくので作図の参考にしていただきたい。

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VectorWorksを起動する

 2D CAD基礎編と同様にCADアプリケーションを起動させる。
 不明な点は左メニューの『2D CAD基礎編』を参照のこと。またVectorWorksの本体はMacもWinもプログラムファイルの格納場所にあるが、デスクトップorナビゲーションバーにショートカットアイコンを作っておくとよい。

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 Vectorworksをはじめ、多くの建築CADソフトは非常に高価なため、ソフトのコピープロテクトがかかっています。別室のサーバまでソフトを起動させるキーを読みに行く場合があるため、一度に多くの人が同時にキーを読みに行くと混雑するので開かないときもありますが、何度かリトライしてみよう。

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 起動するとソフトのタイトル画面が表示された後、作業状態の画面になるはずである。
 起動できない場合はTA、あるいは担当教員に申し出ること。

今回使うパレット

 2次元図面を描くにあたっては、不要なパレットばかりであるため、『2D CAD基礎編』同様、以下の通し番号を付けたウインドウ&パレットのうち、1,2,3,4,10のみを残し、のこりをすべて閉じておく。(小さい画面の端末ならなおそうしたほうが効率よい。)

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 パレットの閉じ方は、各パレット上部のボタンをクリックすることでそのパレットを閉じることが可能。また、誤って閉じてしまったパレットを再び開く際は、「メニュー」>「パレット」>「表示させたいパレット」を選ぶとそのパレットが再度開くことができる。使わないパレットを全て閉じ作業を開始。

作図の大まかな手順

○用紙の大きさをA3とする。

「画面」>「用紙の大きさ…」 にてISO A3、「用紙限界を表示」のチェックを外しておき、OKをクリック。

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これで今から描くファイルの用紙の大きさがA3に設定されたことになる。試しにA3用紙の用紙全体を表示させてみる。またこれは以後スクロール等しながら図面作成を行う際、いつでも元のA3用紙全体の表示に戻る際によく使うので覚えておく。
「画面」>「用紙全体を見る」
またはショートカット:Macの場合『コマンドキー』+『4』、Winの場合『ctrlキー』+『4』

○用紙の縮尺を1/100とする。

用紙ウインドウの上部にある「レイヤ-1」と書かれたプルダウンメニューをクリックし、「レイヤ…」を選ぶ。

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すると下図のようなレイヤ設定ウインドウが開く。そこで「縮尺…」ボタンを押す。

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縮尺設定ウインドウが開くので、設定する縮尺を上段から選ぶ、もしくは縮尺を数字で空欄に「100」と入力。またレイヤ-1の名前を「立面図」とする。

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○印刷用紙を選ぶ

「ファイル」>「用紙設定」にて、対象プリンタを選び、用紙サイズをA3もしくはA3ノビとする。ノビサイズはA3をフルに印刷したい場合に用いるサイズの用紙であり、今回の課題も、余白がとれない場合はA3ノビ用紙を用いることを推奨する。または自宅等で印刷したい場合はA4等に設定する。A4を選んだ場合、A4横使い×2枚でA3、4枚でA3ノビとして連写印刷してくれるので便利。

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○ファイルを一旦保存する。

保存先はCADスタジオで作業する際は、データは各自責任にてバックアップしておく。共用マシンゆえ、消されてしまっても文句は言えない。Winの場合はUSBメディアorCD-RW、Macの場合はUSBメディアor i-Pod等が使用可能。

○作図する。

作図は基礎編に同じくであるが、追加説明として以下の項目を参照すること。

作図の手順(追加説明)

CADツールにはそれぞれ「レイヤ」管理機能がついている。これは手書き図面におけるトレーシングペーパーを重ねて用いる原理と要領に近い。それぞれのレイヤでは各々で「縮尺」が独立してかえられる。同じ図面であっても描画要素ごとにレイヤ分けすると作業効率も上がる。

○レイヤを作る。

作業ウインドウ上の「レイヤポップアップ」にてレイヤ設定ダイアログを開き、

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「新規」ボタンを押して「レイヤの作成」ダイアログを開き、レイヤ名を入力し、「OK」を押す。

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以下のレイヤを以下の順にて上方から準備する。
つまり図面名レイヤが最上層、基準線レイヤが最下層となる。縮尺はいづれも1/100。

・図面名
・寸法線
・立面図
・基準線

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上部レイヤが手前に見えることになるが、ダイアログを呼び出し、作業に準じて順番を入れ替えたり、
「階層」>「他のレイヤを」>「隠す、グレイ表示、表示、表示+スナップ、表示+スナップ+編集」など切り替える。
これらの道理は正に建築製図の際に用いるトレーシングペーパーの要領と似ている。製図の際はレイヤコントロールを駆使することになるので良く覚えておくとよい。

○レイヤを活用する。

製図の際は、レイヤの見え方やスナップ、編集の可否をコントロールしながら進めるとよい。たとえば多くの図が描かれている必要ないレイヤを一時的にグレイ表示、または見えなくするには、前述の「レイヤ設定」ダイアログにおいて、

  • ◆…表示
  • ◇…隠す
  • ◆…グレイ表示

のチェックをつけたり外したりすることで制御可能であるが、同時に、
メニューの「階層」>「他のレイヤを」>「隠す、グレイ表示、表示、表示+スナップ、表示+スナップ+編集」などを使う。

4つのレイヤを作成したので、各レイヤの名前にそった製図・作図を行うと明解である。
まずは「レイヤポップアップ」にて「図面名レイヤ」を選択し、アクティブにする。アクティブにされたレイヤにのみ、製図・作図が可能となる。

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図面名を『西側立面図 1/100』などと入力する。ついでに各自の学籍番号、氏名も入力する。文字入力は2Dツールパレットの文字ツールを使い、入力が終わったらセレクションポインタに切り替えることで入力が終了する。なお、文字の大きさ、フォントの種類は、メニューの「文字」>「フォント」or「サイズ」or「スタイル」等にて適当に編集を行う。最後にセレクションポインタにて、入力した文字ボックスを動かし、適切な位置に配置して終わり。

○線幅・線種・線色をコントロールする。

CADの図面も手書き図面同様、線の種別に気をつける。
線種は、実線、太線、極太線、細線、破線、一点鎖線、二点鎖線等がある。
線幅は0.03ポイントから0.5、0.8、2ポイント以上まで、設定次第で様々にプリセットしておける。
線色に関しては、カラーチャートより256色以上の色幅から選択することができる。

いろいろな線種、線幅を試し書きしたもの線幅出力サンプル帳として印刷し、雰囲気を掴むのが早道である。
制御自体はすべて「属性パレット」で行う。
分からなくなったらメニューの「パレット」>「属性パレット」を選び表示させられる。

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○基準線を引く

製図を始める際は、手書きであろうとCADであろうと、基準線をまず手始めにかく。
「基準線レイヤ」をアクティブにし、直線ツールにて水平な線分を描く。
要領は 『shiftキー』を押しながら端点を2箇所クリックにて描画。

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今回描くのは立面図であるから、建物の各階のフロアレベル(FLと略す)を描く。
断面図、平面図などの図面の場合は、柱芯や通り芯も描く。
一般的には一点鎖線、二点鎖線にて描くが、CADの場合、図面と同じ黒線で描くとわかりにくくなるため、線色をつけるとよい。

また各FLには、FL名称を文字ツールを用いて付記しておく。

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また、 文字ツールで描いた文字のボックスのベタ色が塗られていると、下に描かれている基準線が消えて見えるため、ベタ色を消しておく。消し方は、ベタを消したい文字ボックスを選び、属性パレットにてベタ色の状態(バケツのアイコンが目印)を「塗りつぶしなし」に変更する。

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○描いたFL等に寸法線・寸法を入れる

CADの場合、寸法表記は縮尺に併せて自動計算にて入力される。
ツールパレットにて、縦横寸法ツールを選び、寸法を入れたい(引き出し線を描きたい)FLをクリックして入力。
また寸法表記の文字については文字ツール同様、メニューの「文字」よりフォント、大きさ、種類をあとで選定する。

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なおこの縦横寸法ツールには、2点間寸法描画の他、連続寸法の描画等、5種類のモードがウインドウの左上より選べる。通常は最左の全体寸法モードで十分である。

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○作図について(複製を駆使する。)

このWebページでは細かな作図方法までは説明しないが、最も基本的かつ重要な方法を簡潔に示しておく。立面図の作図に移るので、「立面図レイヤ」をアクティブにする。


手摺りの格子やRC打ち放し面のせき板痕(定尺で1800×900mm)やPコン穴(ここでは30φ)など、同じようなものが等間隔でくりかえし出現する図面の場合は、CADの場合、複製(配列複製)を用いたほうが手間が省ける。ここでは手摺りのFRPG面の格子(縦横40mmピッチ)を配列複製を用いて作図する。

・まず適当な長さの線分を水平に1本だけ描く。

・つぎにその線分が選択された状態で、メニューの「編集」>「複製」を選ぶ。

・一見、複製されていないように見えるが、同位置にて一個だけ選択されている線分が複製されておかれている。

・すかさずメニューの「加工」>「移動…」にて、Y軸方向に40mmだけずらす。Y方向に40と入力。
 すると一本目の上方に2本目の線が移動する。

この方法で、タテヨコに40mmピッチの格子を描いていくのもよいが、相当の手間を要するので、以下の方法をとる。


・まず適当な長さの線分を水平に1本だけ描く。

・つぎにその線分が選択された状態で、メニューの「編集」>「配列複製…」を選ぶ。

・するとダイアログが表示されるので、『直線状に30』、『Y方向に40』と入れ、OKを押す。
 なお、30本は適切な数量ではないが、多めに複製しておいてあとで消去するのは簡単である。

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・すると以下のような作図ができる。

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・できあがった線分すべてが選択されている状態なので、このまますかさず
 メニューの「階層」>「グループ」を選び、全部の線分をひとつの物体にグループ化する。
 このグループの端点および中点をドラッグして長さを調節する。

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・同様の方法で縦の格子を完成させ、併せてタテヨコの格子を得る。なお、複製数量が多すぎor少なすぎた場合、
  メニューの「階層」>「グループ解除」を選び、不要な線分のみを選択して消去すれば格子面の完成。
 以降、このFRPG手摺りは各階に出現するため、
 タテヨコの2グループあるいは全ての線分を選択してもう一度グループ化しておくとよい。

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○印刷する

A3用紙をフルに出力したい場合、フチナシ印刷可能なプリンタでないかぎり、用紙端まで印刷することはできない。また、2年次以降の製図課題において、A1図面を作成する際などは、A3用紙を4枚、精巧につなげてA1用紙の印刷を行ったりする。(であろう…)A1出力もCAD室では可能だが、出力代金や用紙、インク代など高価であるため、試し刷りには向かないし、出力時間も相当要する。よってA3フル出力をリーズナブルに行う打開策として、A3ノビ用紙(学科準備室に完備されている)にA3出力面が収まるべく印刷する方法を推奨する。

この方法を用いる場合は、新たなレイヤとして、『A3用紙枠』という名前のレイヤを作成し、297mm×420mmのレクタアングルを描いておく。描き方は基礎編を参照のこと。同時にこの枠も含めてA3ノビ用紙にA3ノビ対応プリンタ(2006年11月現在、CAD室のEpson-3500Cが対応している)にて印刷し、そののち枠のとおりにカッターナイフ等で精巧にトリミングし、A3出力課題として提出する。

PCからプリンタに印刷司令を出す。メニューの「プリント…」を選び、
対象プリンタ、用紙の種類、その他詳細設定を行い、プリントボタンを押す。

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※CAD室で印刷する場合は以上の通りであるが、情報処理端末室の白黒レーザー印刷でも可能である。課題提出前夜などはプリンタフル稼働となることを念頭におき、提出締切よりも十分早めに出力しておくことをオススメする。(他学年課題等ともかぶるおそれ十分にアリ。)

なお、課題の提出期限、場所については、専任教官より追って指示されるものとする。(2006.12.5)

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