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担当講義

CAD演習Ⅰ -2D CAD基礎編 その1-

Vectorworksを起動する

 Vectorworksとは、2次元図面を描いたり、3次元立体をモデリングするソフトウエアである。起動するにはまず下図の中央一番下のようなアイコンをダブルクリックする。アイコンがDockやメニューバーにある場合はアイコンのボタンをシングルクリック。

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 Vectorworksをはじめ、多くの建築CADソフトは非常に高価なため、ソフトのコピープロテクトがかかっています。別室のサーバまでソフトを起動させるキーを読みに行く場合があるため、一度に多くの人が同時にキーを読みに行くと混雑するので開かないときもありますが、何度かリトライしてみる。

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 起動するとソフトのタイトル画面が表示された後、作業状態の画面になるはずである。

パレット

 Vectorworksは、建築をデザイン・描画するための専門的な道具を備えている。まず図面を描く際の道具箱にあたる、パレットとツールの基本的な説明をする。 起動するととりあえず下の図のようになっている(はずである)。

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 このうち、1,2,3,4,10のみを残し、そのほかの使わないパレットを閉じる。各パレット上部のボタンをクリックすることでそのパレットを閉じることが出来る。また、誤って閉じてしまったパレットを再び開く際は、「メニュー」>「パレット」>「表示させたいパレット」を選ぶとそのパレットが再度開く。

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 使わないパレットを全て閉じると以下のような画面になる。この状態で作業を開始。

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用紙の大きさと縮尺を決める

 図面を描く前に、まず、用紙の大きさと縮尺(スケール)を決めておく。
 「メニュー」>「画面」>「用紙の大きさ…」を選ぶ。

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 用紙の大きさダイアログで用紙サイズをISO A4とする。また「用紙限界を表示」のチェックを外しておき、OKをクリック。

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 次に、用紙の縮尺を決める。用紙ウインドウの上部にある「レイヤ-1」と書かれたプルダウンメニューをクリックし、「レイヤ…」を選ぶ。

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 すると下図のようなレイヤ設定ウインドウが開く。そこで「縮尺…」ボタンを押す。

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 すると、縮尺設定ウインドウが開くので、設定する縮尺を上段から選ぶ、もしくは縮尺を数字で入力する(ここでは1/100とする)。レイヤが複数用意されている場合は、レイヤ毎に縮尺が決められる。また、一度に全てのレイヤの縮尺をそろえたい場合は、「全レイヤ」チェックを入れてOKボタンをクリック。

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 ここまで済んだら、一度、用意した用紙の全体を表示させてみよう。横長のA4用紙が用意されているはずである。

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2D オブジェクトを描いてみる

 建築の図面には、平面図、立面図、断面図、詳細図、展開図などがあるが、それらは全て2次元(2-Dimensional)の図である。人間の手で描く場合は、鉛筆や消しゴム、平行定規などを用いるが、デジタル環境ではそれらを何度描いても何度でも消せる。また線と線を重ねて描くこともできる。一度塗ったベタの色も、一瞬で変えられるし、同じオブジェクトであれば2個でも1000個でもコピーが一瞬のうちにできてしまう。 現業の設計現場では、もはやCADは必要不可欠の道具になっており、実際どれほど便利なのかどうかの議論はもう意味をなさない。ならば実際に使ってみて、「CADはこんな道具である」感覚を身をもって習得して欲しい。

 では簡単に、Vectorworksの2Dツールパレットを使って、簡単なオブジェクトを描いてみよう。なお、オブジェクトとは、線分や閉じた平面、円盤などの図形の最小単位と思って頂きたい。

 四角形を描く場合、2Dツールパレットの四角形の格好をしたアイコンを選び、図の1、2の要領で左上から右下にかけてマウスを2回クリックして適当な大きさの四角形をかく。

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 失敗したら、消す。
 2Dツールパレット(以下パレットと呼ぶ)のピックツールを選び、四角形オブジェクトを選択する。すると、四角形オブジェクトの端点や中間点に黒いマークが現れ、選択されている状態を表す。この状態でキーボードのdeleteキーをたたいてオブジェクトを消去する。

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 線分を描く場合、パレットの線分アイコンを選び、同様に端点で2回クリックする。

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 また、1回目の点をクリックした後、シフトキーを押したままにすると、鉛直あるいは水平にスナップして2点目がクリックできる。直角な線分を描きたい場合に有効である。

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 多角形を描く場合も同じ要領である。ここで注意すべきは、閉じた多角形オブジェクトを描く場合、自分自身の線分が交差しないようにする。

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 角度のついた四角形を描く場合、四角形アイコンをホールド(マウスボタンを押しっぱなしにすること)するとサブアイコンが現れる。一番右のナナメ四角形アイコンを選び、「1、2」の要領で描く。

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 図面中に寸法や図面名、文章やタイトルなどを文字で打ち込みたい場合は、文字アイコンを選び、テキストの開始位置で一度クリックすると入力カーソルが現れ、文字入力が出来る。また配置を移動する場合は、一度選択ツールに切り替えて、文字を選択し、ドラッグ(マウスボタンを押しっぱなしにしてカーソルを移動させること)することで位置が変わる。

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 円や楕円は、パレットの楕円アイコンと、用紙画面の上部の楕円描画コントロールオプションの切り替えにて描画モードを適宜変更する。

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 円弧を描く場合も、描画コントロールオプションとの組み合わせで様々な描き方ができる。

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 自由な図形を描く場合、クリック毎に描画コントロールオプションを切り替える。キーボードの「u」キーを押すことで切り替えが行える。これはショートカットキーとよび、他の操作も実は同様なショートカットが用意されている。ヘルプメニューで一覧を理解しておくと便利である。

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 用紙を拡大して見たり、縮小して全体を眺めたいなど、オブジェクトを編集せず見え方だけを調整したい場合は、下図のアイコンがそれぞれに対応している。これらもまたよく使うのでショートカットを覚えておくと良い(ちなみに該当キーはz,x,c,vである)。

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