連続間欠記録式歩行群集流画像による群衆性状の把握(2013-)
山田 昇吾
交通流動情報は街路空間計画、エリアマーケティングなどの都市計画や、駅コンコース、大規模商業施設などの施設計画を行う際、利用者の快適さの指標や混雑緩和などのための基盤情報として広く利活用されている。交通流動情報を収集するために空間利用者のアンケート調査や目視でのOD(Origin-Destination)調査が行われることが多いが、これには多くの時間・費用がかかる。この問題を解決すべく、ビデオカメラやレーザーセンサーを用いた様々な流動情報把握の研究がされており、高精度な交通情報取得の手法が模索されている。しかしこういった研究は調査後、解析に時間がかかり、実時間での群衆性状の把握は考慮されていない。
本研究は連続間欠露光により撮影した画像をデジタル画像解析環境により一枚の画像として合成処理することで、調査対象空間の流動状態を簡易評価するための歩行群衆流の画像解析手法を構築することを目的とする。この手法で作成された群衆性状を把握するための画像を本稿では連続間欠記録式歩行群衆流画像と呼ぶこととする。この連続間欠記録式歩行群衆流画像によって、一枚の画像から直感的に流動の状態を把握することが可能となる。本研究の特徴として解析データの作成までの時間が早いことがあげられ、対象空間の群衆流動をその場で撮影・解析データの作成を行い簡易評価することが可能である。